学会員のみなさまへお知らせ

2024年3月10日
  日本甲虫学会会長 久保田耕平


2.能登半島地震被災地の会員に対する支援について

1.洞窟採集、特にオキナワアシナガメクラチビゴミムシを目的とした採集における危険性に関する注意喚起

2023年12月、沖縄本島において新種記載されたばかりのオキナワアシナガメクラチビゴミムシの採集を目的とした縦穴の洞窟採集で、本学会会員である1名が脱洞の際に岩に挟まれて身動きが取れなくなり、同行者が緊急救助要請するという事案が発生しました。レスキュー隊の8時間に及ぶ救助作業によって、当該の1名は救助されたものの重傷を負いました。本件において採集者はロッククライミングの装備や布製梯子等は携行していましたが、事故を起こしたような深い縦穴での採集経験はほとんどなかったようです。

この事案は学会活動とは直接の関係はありませんが、甲虫類の採集活動中に起きた、一歩間違えれば死亡事故にもなりかねない危険な事故でした。もとより洞窟採集は一般的な昆虫採集とは異なり、特殊な技術を要する難易度の高い採集方法です。難易度の高い洞窟での調査・採集には、本人の十分な入洞技術に加え、ケイビング専門家のサポートが必要となるケースもあります。このため学会としてもこのような事故の再発防止を目指し、「洞窟採集、特にオキナワアシナガメクラチビゴミムシを目的とした採集における危険性」について、以下のように強く注意喚起を行います。

1. 入洞に許可や届が必要な洞窟では必ず事前に手続きを行うこと。管理されていない洞窟であっても、できる限り事前に土地所有者や地元関係者に許可を取ること。

2. 事前に専門家の指導の下で、対象の洞窟の入洞に見合った装備準備と技術習得を行うこと。専門家に同行を求めることも望ましい手段である。

3. 必ず複数で入洞し、不測の事態が生じた時の危機回避や外部への連絡手段等を事前にシミュレーションしておくこと。

4. 天候が思わしくない時や洞窟内での増水が予想される時には、決して入洞しないこと。

なお、日本洞窟学会の「ケイビング・洞窟調査を行うにあたっての倫理規定・行動規則」もぜひ参考にしてください(
https://www.speleology.jp/etics/SsjEtics.html)。



2.能登半島地震被災地の会員に対する支援について

2024年1月1日に発生しました能登半島地震において,当学会会員が被災された可能性が考えられます。当学会では東日本大震災、熊本地震の際の対応を参考に,被災会員への支援策を講じる方針です.今後詳細について,被災会員と連絡を取りつつ協議していきたいと考えております.該当する会員は遠慮なくお申し出ください.また,知人・友人の会員に該当者がおられる場合は,ご推薦をお願いいたします.被災会員についての情報提供などのご協力をお願いいたします.
連絡先:
webmaster@coleoptera.sakura.ne.jp

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https://coleoptera.sakura.ne.jp/