「つくば実験植物園の甲虫:春夏編」
今年度から、科博付属のつくば実験植物園の昆虫相を調査しています。つくば実験植物園は茨城県つくば市の郊外にあり、その北側に科博の動物研究部、植物研究部があります。周囲は田畑や、クヌギ、シラカシなどの2次的な雑木林で、特に珍しい動植物が生育するような環境ではありません。しかし植物園なので、日本各地にみられる様々な植生が園内に再現されていて、植物の種類は大変豊富ですし、水生植物のために大きな池や浅い水域も作ってあるので、トンボなどの水生昆虫は豊富です。つくば実験植物園の甲虫2種. 左:ヤマトタマムシ;右:イネネクイハムシ. |
「長い和名のアリヅカムシ」
本年6月6~7日、初めて沖縄への遠征となった、国頭村「やんばる学びの森」での調査観察会に参加してきました。たくさんの会員と地元の有志の方々に参加いただき、たいへん盛会となりました。梅雨のさなかで天気は良くなかったのですが、皆それぞれに目的の虫があって、地元の方々と情報交換しつつ、採集にいそしんだり、虫談義に花を咲かせたりしました。私としてはこの会への参加は久しぶりだったのですが、事故もなく、楽しい思い出となりました。いずれ「さやばねニューシリーズ」に、担当幹事から報告があると思います。沖縄県国頭村のライトトラップで採集された2種のアリヅカムシ. 左:タイワンヒゲブトエンマアリヅカムシ;右:リュウキュウヒゲブトエンマアリヅカムシ. |
「桜花と甲虫」
さくらの花満開の候となりましたが、学会員の皆様にはいかがお過ごしでしょうか?もうすでに多くの方々が野山に入り、長い冬を越して動き始めた甲虫の姿に、胸を躍らせておられるのではないでしょうか。2004年4月、八王子市滝山公園の桜枝上に設置された高所FIT |
「就任のごあいさつ」
このたび、第3期(2015-2016)の会長を仰せつかりました、国立科学博物館の野村です。浅学菲才の身でありながら、多数の会員の皆様からご推挙いただき、大変名誉ある役目をお引き受けすることになりました。行き届かない点が多数発生するのではないかと、大変心配しておりますが、新里前会長はじめ、役員、学会員の皆様のお引き立てをいただけますよう、どうかよろしくお願いいたします。「第3期役員選挙を終えて」
毎年のことながら異常気象が取りざたされています。今年は7月半ばくらいまでは何とか持ちこたえていたものの、8月に入ると長雨が多くなり、例年のような残暑もなく、そのまま暦通りの秋になってしまったようです。東京あたりではお彼岸はまだ半袖が当たり前のように思っていましたが、久しぶりに秋らしい服装で外出したものでした。私自身は研究よりも採集調査の1年だったので、こうした天候不順にはたびたび泣かされました。それでも1ヶ月近いフィールドを無事こなし、それなりの成果を挙げることができました。「選挙に投票を」
6月最後の1週間は台湾東部に採集に行ってきました。ここ5年来恒例になりますが、忙しい職場を離れて、異国の山中でのんびりとネットを振ってきました。目的はこれと言ってないのですが、条件のよい吹き上げが見つかり、ネキダリス(ホソコバネカミキリ類)2種を採集することができました。私は虫採りがヘタだとよく影口を叩かれますが、その私でも採れたのですから、そこが如何に素晴らしいポイントであるか、御察しいただけるかと思います。「新しい年を迎えて」
2014年を迎え、甲虫研究者の皆様は新たに、研究の抱負や採集の計画を立てられていることと思います。昨年は国内外で採集成果は不作の話をよく耳にしましたが、今年はどうなることでしょうか。さらに昨年は、研究成果の方もいまひとつ振るわなかったようです。本学会の欧文誌では、この10年のうちで掲載論文数が最も少なかったように思います。いずれにしても今年は、大きな成果が上がる年になればと願っています。「秋は学会大会のシーズン」
今年は5月に台湾,6月にコスタリカと立て続けに外国に出かけたせいで,山のように溜まった仕事の後始末に9月一杯まで追われ,夏の間はほぼ休みなしの毎日でした.それでも8月末の名古屋例会を皮切りに,9月の東京例会,大阪例会と参加して,甲虫屋仲間と楽しく語り合い,息抜きを欠かすことはありませんでした.ひと心地ついた10月初めには,札幌で大原委員長とElytraニューシリーズの打ち合わせと称して,深夜まで痛飲してまいりました.国内の虫採りはまったくできなかった今シーズンでしたが,虫屋との交遊は十分に楽しめました.「ABS問題と甲虫研究者」
今年の春の訪れは早く、東京では彼岸を待たずにソメイヨシノが開花しました。3月の うちにお花見をした記憶はないなと思っていたところ、テレビの天気予報で観測史上二番 目に早い開花だという。こういう年は寒の戻りがあるのが心配ですが、ともあれこれを書 いている現在、季節は順調に進行中です。春の訪れは虫屋にとって何よりもうれしいもの 。琉球や東南アジアに出かければ虫採りも季節なしのご時世ですが、やはり生まれ育った 土地で迎える季節の到来にまさる喜びはありません。私も今からカエデの花を掬いに行く 休日を心待ちにしています。「第2期を迎えて」
日本甲虫学会は2013年1月1日より第2期を迎えました。「採集シーズン、そして選挙を控えて」
盛夏を控え梅雨空が続きますが、甲虫類が1年で最もたくさん採れるのが、おそらくこの季節ではないでしょうか。私の周りでも、しきりと興味深い情報が飛び交い、週末の予定につい心が動かされてしまいます。「新年ごあいさつ」
2012年の新しい年を迎え、日本甲虫学会もまた一つ新たな歴史を刻むことになります。二つの甲虫関連学会の合併から今年は3年目にあたり、あらゆる面からこれまでの努力が実る1年になるものと期待しています。2011年は、真価が試される年と位置づけてきましたが、学会活動に新たな試みを加えたにもかかわらず、例会・大会などの行事、欧文・和文誌面の刷新、ホームページの充実と、ほぼすべての活動を円滑に進めることができました。ひとえに会員諸兄の力強いご支援の賜物であると、深く感謝申し上げます。一方で昨年は、3月11日の東日本大震災以降、原子力発電所事故、本土を直撃した台風など多くの天災に見舞われ、苦難の1年でもありました。とくに東日本在住の会員は直接または間接のご心労が多く、研究や採集活動のモチベーションも低迷されたものと思われます。採集旅行を中止されたり、研究成果をまとめきらなかったりと、満足いく活動ができなかったという話をよく耳にしました。しかしそれも心機一転、2012年は多くの皆様が、平時の活動に復帰されるものと期待しております。「真価が試される2011年を迎えて」
日本甲虫学会は、日本鞘翅学会と(旧)日本甲虫学会が2010年1月に合併し、1年間の移行期間を経た後、本年2011年1月よりすべての会務と事業を完全に一本化するまでに至りました。「日本の甲虫学の進歩と発展」を共通の将来目標に掲げ、ここまでともに歩んでこられた会員の皆様の暖かいご理解とご支援に対して、まずは厚くお礼申し上げます。