名古屋例会 Nagoya
2025年度は未定
●名古屋例会担当 生川 展行
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E-mail:tritoma@mecha.ne.jp
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名古屋例会の予定
2025年度は未定名古屋例会の記録
2024年第2回名古屋例会の記録
日 時 2024年9月29日(日)午後1時30分〜午後4時30分
場 所 三重県環境学習情報センター1階研修室
講 演
1 稲垣政志「Jujiroa yorikoae クロテングホラアナヒラタゴミムシの発見から記載まで」
稲垣さんが洞窟の生物調査を始めたきっかけや,クロテングホラアナヒラタゴミムシが見つかった経緯や生態,黒天狗の穴の最深部までの入洞は,非常に危険であること,洞窟調査での注意点等について講演していただきました.
2 芦田 久「地中性ゴミムシの採集方法と最近の分類学的知見〜地中トラップのすゝめ〜」
以下の3つのテーマで講演をしていただきました.
1つ目は地中トラップのすすめとして,地中トラップの作成法,設置場所は枯沢の端,沢の端,沢の斜面などが良いことなど.
2つ目は紀伊半島の地中性ゴミムシとして,紀伊半島固有のKusumia属23種2亜種が記載されていることと,これらの5つの種群について説明していただきました.
3つ目は残された課題として,今後紀伊半島で新たな発見があるのかなどの貴重な講演をしていただきました.
その後は一人一話として,参加者から近況報告などが行われました.当日の参加者は25名で,今までの最多参加者数となりました.
2024年第1回名古屋例会の記録
日 時 2024年3月17日(日)午後1時30分〜午後4時30分
場 所 三重県環境学習情報センター1階研修室
1 講 演
(1) 豊島健太郎「三方岩岳で見つかったハクサンヒラタゴミムシ」
2023年に新種記載されたハクサンヒラタゴミムシの発見の経緯と、岐阜県のNegreum属のゴミムシ4種(ベントンモリヒラタゴミムシ,フクシマモリヒラタゴミムシ,ヒコサンモリヒラタゴミムシ,ハクサンヒラタゴミムシ)の区別点等について,講演をしていただいた.
(2) 片岡篤実「ミトコンドリアDNA塩基配列を用いた愛知県産土壌性ゾウムシ類の系統分析」
愛知県内で採取した落葉から,イワワキオチバゾウムシとニセチビヒョウタンゾウムシを,ツルグレン装置で抽出し,ミトコンドリアDNA塩基配列を用いて系統解分析を行った結果を,講演していただいた.
(3)伊澤和義・大場裕一「近似種・隠蔽種とDNA分析」 日本甲虫学会2023年大会のゾウムシ分科会で発表された,ヒゲナガオトシブミとキイロヒゲナガオトシブミ,セアカヒメオトシブミとカラフトヒメオトシブミなどの近似種について,DNA分析の結果について,講演していただいた.
その後は一人一話として,参加者から近況報告が行われた.当日の参加者は20名でした.
◆2023年第2回名古屋例会の記録
日 時 2023年9月10日(日)午後1時30分〜午後4時30分
場 所 三重県環境学習情報センター1階研修室
1 講 演
(1) 生川展行「青木淳一先生とホソカタムシの想い出」 青木先生が解明された原記載以降記録のなかったホソカタムシについて,青木先生との想い出を交えて説明した。 (2) 長谷川道明「大平仁夫先生を偲んで」 参加者に「大平仁夫先生を偲んで」と題した別刷りを配布していただき,その後,昭和初期の東京農業大学の神谷一男先生らの写真を披露していただいた。
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その後は一人一話として,参加者から近況報告が行われた.当日の参加者は13名でした.
◆2023年第1回名古屋例会の記録
2023年3月12日(日)に,三重県環境学習情報センターで開催された2023年第1回名古屋例会の概要は以下のとおりでした。
久松さんから自己紹介の後,世界のケシキスイの概要,日本のケシキスイの概要,今年取り組んでいる研究について,講演をしていただいた。 ・長谷川道明・山迫淳介 「クワサビカミキリ属(Mesosella)の分類学的再検討(途中経過) 和歌山県で採集されたMesosella属の不明種について,現時点での調査結果と,更なる追加標本提供の依頼があった。 |
◆2022年第2回名古屋例会の記録
2022年10月9日(日)に三重県環境学習情報センターで開催された,2022年第2回名古屋例会の概要は以下のとおりでした。
1 講 演
・大野 友豪:「愛知県の陸生ガムシ」
水生ガムシの研究が近年盛んになっている一方,陸生ガムシは一般にあまり人気がないが,当日は陸生ガムシの概要,日本から記録されている属,愛知県に生息する種について貴重な解説をしていただいた.
なお,当日予定していた津田正太郎さんの「伊賀盆地のムモンチビコツブゲンゴロウ」は,津田さんの都合が悪くなったため,生川が以下の発表を行った.
・生川 展行:「チビヒメヒラタホソカタムシについて」
チビヒメヒラタホソカタムシの原記載以降の記録を報告した.
その後は一人一話として,参加者から近況報告が行われた.なお,当日の参加者は15名であった.
◆2022年第1回名古屋例会
2022年3月20日(日)午後1時30分から三重県環境学習情報センターで,参加者の手の消毒,体温測定,ヘルスチェックシートの記入,換気の徹底,席を離しての着席など,新型コロナウイルスの感染対策を行って,2019年以降初めて対面での例会を開催しました.
当日は,『森本 桂先生を偲んで』として,東海3県のゾウムシ屋さんに森本先生との思い出やエピソード,各自が特に興味を持って調べている内容など,下記の講演を行っていただきました.
・オトシブミ科の上位分類について(伊澤和義)
・JWIN採集会での思い出(井上晶次)
・ゾウムシ屋27年の道のり(官能健次)
今回は久し振りの対面での例会の開催ということで,21名と予想よりも多くの参加者がありました.なお,今回の例会は新型コロナウイルスの感染対策の一環として,2時間以内の開催としましたので,自由に情報交換ができなかったことは残念でしたが,無事に開催できましたことに関して,参加者の方々のご協力に感謝します.
◆2020年第1回名古屋例会
2020年3月15日(日)に森本桂先生を偲ぶ講演を予定していましたが、コロナウイルス感染予防のため中止しました。
◆2019年第2回名古屋例会の記録
2019年9月22日(日)に三重県環境学習情報センターで開催された,2019年第2回名古屋例会の概要は以下のとおりでした。参加者は15名でした。
午前中は,情報交換,同定などを行なわれ,午後は以下の講演が行われました。
・土岐 和多瑠:「ニホンホホビロコメツキモドキと酵母の共生関係」
日本のニホンホホビロコメツキモドキや,中国,東南アジアの特異な形態をしたホホビロコメツキモドキ属の種についての生態など,興味深い講演をしていただいた。
・生川 展行:「県別甲虫目録から分かってきたこと」
近年発刊された各県別の甲虫目録を基に.オサムシ科やコガネムシ科,コメツキムシ科など種類数の多い科別の県別ベスト10や,科別の1位を目指す場合の種類数などについて,報告をさせていただいた。
その後は一人1話が行われ,懇親会も開催されました。
◆2019年第1回名古屋例会の記録
2019年3月17日(日)に三重県環境学習情報センターで,2019年第1回名古屋例会が,開催されました。
午前中は,情報交換,同定などを行なわれ,午後は以下の講演が行われました。
・浅野 真:「ジョウカイモドキの不思議な話 ―ジョウカイモドキから人類への挑戦状―」
ジョウカイモドキの生態,形態など幅広い内容で,ジョウカイモドキの魅力について講演をしていただいた。
・高井 泰:「岐阜県レッドデータリストの改訂に向けた調査から」
岐阜県レッドデータリストの改訂に向けた調査で分かってきた問題点や,新たな知見などについて,説明していただいた。
その後は一人1話が行われ,懇親会も開催されましたが,当日の参加者は23名と,久しぶりに参加者が増えました。
◆2018年第2回名古屋例会の記録
日 時 2018年8月19日(日)午前10時〜午後5時
場 所所 三重県環境学習情報センター(三重県四日市市)
【当日の概要】
午前中は情報交換や同定などが行われ,午後は以下の講演が行われた。
・中野文尊「西表島のホソカタムシ採集記」
・官能健次「アナアキゾウムシ亜科の課題種」
中野さんは,微小甲虫のきれいな展足方法についても説明してもらい,非常に参考になりました。参加者は東海三県を中心に14名と少なかったが,今回初めて長野県から2名の若手会員の参加がありました。講演の後は一人1話として各自が今年の採集の成果など近況報告が行われ,例会終了後は懇親会も開催されました。
◆2018年第1回名古屋例会の記録
日 時 2018年2月4日(日)
場 所 三重県環境学習情報センター(三重県四日市市)
午前中は情報交換や同定などが行われ,午後は以下の講演が行われた。
・高橋和弘「ジョウカイボン研究の現状と今後の課題」
・井上晶次「名古屋東山の森の灯火採集による甲虫類調査12年間のまとめ」
【当日の概要】
参加者は東海三県を中心に16名と少なかったが,宮崎県からの参加者や小学生の参加者があったことは救いであった。講演の後は一人1話として各自の近況報告が行われたが,例会終了後の懇親会は,雪の心配があったため中止した。
◆2017第2回名古屋例会の記録
日 時 2017年8月27日(日)午前10時〜午後5時
場 所 三重県環境学習情報センター(三重県四日市市)
講 演
・澤田義弘「日本産ムクゲキノコムシ科についての新知見」
・伊澤和義「ルリイクビチョッキリ亜属の新種について」
・長谷川道明「日本と台湾のOstedes属のカミキリムシについて」
その後の一人一話では,参加者の方々から今年の採集成果や活動報告,近況状況を報告していただいた。
参加者は17名で,うち1名は初参加であった。なお,例会終了後は懇親会も開催した。
◆2017年第1回名古屋例会の記録
日 時 2017年2月26日(日)
場 所 三重県環境学習情報センター(三重県四日市市)
1 情報交換,同定など(午前10時〜12時)
2 講 演(午後1時〜3時30分)
(1) 辻 尚道「日本産アタマクチカクシゾウムシ属について」
(2) 官能健次「地域分化したクチブトゾウムシ類(日本の昆虫Vol. 4から)」
(3) 生川展行「鈴鹿山脈の甲虫調査の結果」
3 一人1話など(午後3時30分〜5時)
【当日の概要】
当日は,千葉県,愛知県,岐阜県,石川県,京都府,三重県から20名の参加者があり,例会終了後の懇親会にも17名の参加者があった.
また,上記の講演以外に,長谷川道明さんが豊橋市自然史博物館に最近寄贈された貴重な甲虫標本9種を紹介していただき,稲垣政志さんから琉球列島での採集を基に,作詞作曲された曲を披露していただいた。
◆2016第2回名古屋例会の記録
日 時 2016年8月21日(日)午前10時〜午後5時
場 所 三重県環境学習情報センター(三重県四日市市)
講 演 |
細川浩司「南西諸島のカミキリムシ,食樹に関する若干の知見」 |
リュウキュウメダカアメイロカミキリ,コゲチャフタモンヒガナガカミキリの食樹と,幼虫の生態,飼育等について報告。 |
生川展行「チビヒメヒラタホソカタムシについて」 |
130年ぶりに再発見されたチビヒメヒラタホソカタムシのその後の記録のまとめについて報告。 |
午前中は各自同定や情報交換等を行い,午後は2題の講演が行われた後,参加者の方々に一人一話として,今年の採集成果や活動報告,近況状況を報告していただいた。例会終了後は懇親会(8名参加)も開催された。なお当日は,甲虫ニュースのバックナンバーが希望者に配布された。
◆2016年第1回名古屋例会の記録
2016年2月28日(日)に,三重県環境学習情報センターで,2016年第1回名古屋例会が開催され,午前中は各自が同定や情報交換等を行い,午後は下記の講演が行われた.
・豊島健太郎「岐阜県甲虫目録ができました」
・川瀬英夫「石川・富山県で採集したダルマカレキゾウムシ属Trachodesについて」
・辻 尚道「福岡市西区能古島のゾウムシ相について」
豊島さんの講演は,昨年発刊された「岐阜県甲虫目録」の中で,特に注目すべき種について,写真を基に解説が行われた.
川瀬さんの講演は,石川県と富山県のTrachodesダルマカレキゾウムシ属について,石川県では5種,富山県では3種が得られていることが報告された.
辻君の講演は,博多湾の能古島(周囲12km,最標高135m)のゾウムシ相について,調査結果の概要が報告された.
当日の参加者は20名(神奈川,石川,福井,愛知,岐阜,三重)で,例会終了後は懇親会(10名参加)も行われた.
◆2015第2回名古屋例会の記録
日 時 2015年8月9日(日)午前10時〜午後5時
場 所 三重県環境学習情報センター(三重県四日市市)
講 演
・官能健次「ダルマカレキゾウムシ(Trachodes)属の分布と変異」
・伊澤和義「DNAから見たイクビチョッキリ属の亜属分け」
・生川展行「東海3県のホソカタムシ」
概 要
当日の参加者は13名(神奈川1,石川1,愛知3,岐阜5,三重3)と少なかった。
午前中は各自同定や情報交換等を行い,午後は,3題の講演が行われた後,参加者の方々に一人一話として,今年の東北の山々や対馬での採集成果,近況状況を報告していただいた。例会終了後は懇親会(8名参加)も開催された。
◆2015第1回名古屋例会の記録
日 時 2015年3月29日(日)午前10時〜午後5時
場 所 三重県環境学習情報センター(三重県四日市市)
講 演
・井上晶次「愛知県産土壌性ゾウムシ類のDNAバーコ−ド」
・細川浩司「ノコギリヒメコバネカミキリの幼生期植樹に関する知見,他」
・長谷川道明・蟹江 昇・戸田尚希「愛知県のトックリゴミムシ類」
概 要
当日の参加者は18名(神奈川1,石川1,愛知5,岐阜5、三重6)と少なかったが,大学生の参加があったことは収穫であった。
午前中は各自同定や情報交換等を行い,午後は,3題の講演が行われた後,参加者の方々に一人一話として,昨年の採集成果や活動報告,近況状況を報告していただいた。例会終了後は懇親会(11名参加)も開催された。なお当日は,甲虫ニュースのバックナンバーが希望者に配布された。
◆2014 第2回名古屋例会の記録
日 時 2014年8月17日(日)午前10時〜午後5時
場 所 三重県環境学習情報センター(三重県四日市市)
参加者 14名(東京1、神奈川1、石川1、愛知2、岐阜5、三重4)
概 要
午前中は,各自同定会や情報交換を行った。
午後は,会長あいさつの後,以下の3題の講演と,参加者の方々に一人一話として,今年の採集状況等を報告していただき,例会終了後は懇親会も開催した。
講 演
・稲垣政志「虫屋が知っておくべきデジタル写真撮影の基礎技術について」
デジタルカメラの歴史と基本構造,デジタル一眼カメラとコンパクトデジタルカメラの利点と欠点について,説明していただき,実際に稲垣さん推薦のコンパクトデジタルカメラを使用した標本撮影も実践していただいた。
・大木 裕「横浜国大常盤台キャンパスの甲虫相」
調査期間は1995年〜2013年で,607種の甲虫を採集したが,キクイムシとヒゲブトハネカクシの仲間の同定が進めば更に増える。灯火採集は行っていない。大学建物の側面の白壁で多数の甲虫を採集し,興味深い種も得られた。
大木さんの「採れなくても,めげないでやっていると,たまには嬉しいこともある」という言葉が印象的であった。
・新里達也・岡田圭司・平野幸彦「明治神宮の甲虫類」
明治神宮の面積は68ha,1920年に鎮座し,2020年が鎮座100年となる。
明治神宮の森は,日本全土から献木された95,559本の樹木により,人が造った森である。
昆虫調査は今回が初めてで,1年間の調査で1,244種の昆虫が確認された。このうち甲虫は67科565種で,森林性の種が圧倒的に多かった。
2014 第1回名古屋例会の記録
日 時 2014年2月9日(日)午前10時〜午後5時
場 所 三重県環境学習情報センター(三重県四日市市)
講 演
・野平照雄:春先に発生するスギカミキリの知恵
岐阜県のスギカミキリの記録は,以前は非常に少なかったが,調査を行ったら岐阜県全域に分布していることが分かった。
成虫は1本のスギに集中して産卵する傾向があり,幼虫はスギの樹皮下で下から上へ縦方向に食い進んでいくが,ヤニで死んでいく個体も多い。成虫は3月中旬〜4月中旬に出てくる。成虫の脱出口は楕円形で特徴がある。
・桐山 功:ジョウカイボン科の研究について
ジョウカイボン科の4亜科の概要説明や,ジョウカイボンの分類研究の歴史に関しての説明。採集は,午前中の方が成果が上がる。種類数を稼ぐには多数採集する必要があるが,最近はシカの食害で下草がなくなってしまい,採集が難しくなってきた。
前日の雪の影響で,参加者は16名と少なかった。例会終了後は懇親会も開催した。
2013年度 第2回 名古屋例会の記録
2013年第2回名古屋例会を,8月25日(日)に
まず,新里会長からあいさつをしていただいた後,以下の講演が行われた。
斎藤昌弘「日本産ヘリハネムシ科の検証」 |
現在日本から記録されている7種のヘリハネムシについて,各種の形態等につて説明。成虫は,主に林縁のササ群落のスウィーピングやビーティングで得られるが,100m叩いても多くて2頭ほどしか採れない。青森県三沢で不明種が1頭採れており,北海道東部や北部,屋久島の高地でも,未記載種が得られる可能性が高い。 |
池竹弘旭・戸田尚希「愛知県から得られたセマルガムシ属の一種について」 |
日本のセマルガムシ属は,セマルガムシ,ヒメセマルガムシ,ニセセマルガムシの3種が知られており,愛知県にはセマルガムシ,ヒメセマルガムシが分布している。 今回,愛知県で得られたセマルガムシ属の一種は,外見はヒメセマルガムシに似ているが,♂交尾器はニセセマルガムシによく似ている。林 成多氏に標本を確認していただいた結果,既知の3種とは別の種であることが判明した。 愛知県では,平地に隣接する丘陵地の湿地,休耕田などで得られた。 |
長谷川道明・湯沢宣久・細川浩司「東海〜近畿地方のビャクシンカミキリの分布と変異2011〜2013年調査のまとめ」 |
早春に,昼間ヒノキの貯木場等を確認して採集の許可を得ておき,夜,貯木場を見回る方法で調査を実施。 2011年から調査を始めたが,2011年はたくさん採れた。夜8〜9時が活動のピークで,気温が3〜4℃でも活動している。71地点を調査して42地点でビャクシンカミキリを確認した。上翅の斑紋は地域変異があり,京都は黒っぽい個体が多い。 今後は,東海地方の個体群について更に分布調査を行うが必要である。 |
新里達也・佐藤岳彦・西田賢司「コスタリカ生物多様性を守って活かす」 |
2013年6月上旬に,10日間コスタリカへ行ってきた。コスタリカでの森林回復や生物多様性の保護と活用,エコツアーについて今までの経緯等を説明。現地での採集概要として,夜間の灯火採集では,毎晩たくさんの甲虫が飛来し,テナガカミキリも飛んできたが,クワガタムシは来なかった。ミカン科の木の花で40種のカミキリが採集できたなどを報告していただいた。 |
その後,自己紹介を兼ねて一人一話を行った。また例会終了後は懇親会を行い,13名の参加があった。
2013年度 第1回 名古屋例会 記録
2013年2月24日に,三重県環境学習情報センターで名古屋例会を開催した。当日は朝から雪の降る日で,参加者が少ないのではないかと心配したが,東海3県,神奈川,石川,福井から23名の方々に参加していただいた。
午前中は各自が情報交換や,同定などを行い,午後は大木さんから採集会の案内をしていただいた後,以下の講演が行われた。
川瀬英夫「石川県のネクイハムシとオオルリハムシ−特にツヤネクイハムシの色彩変異について−」 |
石川県から記録されている5種のネクイハムシの分布状況や生息環境,成虫の発生時期について報告していただき,特にツヤネクイハムシについては,色彩変異について報告をしていただいた。また,石川県のオオルリハムシの分布や,生息環境,成虫の発生時期,能登半島に分布している個体は,赤色型であることなどが報告された。 |
官能健次「水辺環境に生息するゾウムシ」 |
三重県に分布している水辺環境に生息しているゾウムシについて,海岸域と淡水域に分けて発表していただいた。海岸域では,ハマベゾウムシ,トビイロヒョウタンゾウムシ,ハマベキクイゾウムシが記録されているが, |
淡水域のゾウムシとしては,1956年と1957年に,
2012年度 第2回 名古屋例会 記録
2012年第2回名古屋例会を,2012年9月2日(日)に,三重県四日市市の三重県環境学習情報センターで開催した.
午前中は各自が同定会や情報交換等を行い,午後は新里会長のあいさつに続いて長谷川さんから12月の大会についての説明と,特に地元東海地方の会員の参加について依頼があった.
講演は,伊澤和義氏の「チョッキリその分類と生態」と,保科英人氏の「日本産タマキノコムシ概説〜特にLeiodes属の分類と生物地理について」で,伊澤氏の講演は,チョッキリが種によって葉の巻き方が違うことなどを,貴重な生態写真を基に話をしていただいた.
保科氏の講演は,Leiodes属の種がピットフォールトラップやFITで採れるが,落ち葉ふるいでは採れないことや,日本産は既知種が10種であったが,研究の結果24新種が見つかったことなどを,苦労話を交えて話をしていただいた.
その後,一人1話を行い,各自が最近の採集状況等について報告を行い,例会終了後の懇親会にも,大部分の方々が参加していただいた.
今回の例会は参加者が17名と少なかったが,初めて関西地方からの参加者があったことは成果であった. (名古屋例会運営幹事 生川展行)
2012年度 第1回 名古屋例会記録
2012年2月5日に,三重県環境学習情報センターで名古屋例会を開催した。会場が鈴鹿山脈の麓にあるため,雪の影響が心配されたが,路面の凍結もごく一部だけで,特に大きな問題はなく,新里会長をはじめ,東海3県,神奈川,福井から24名の参加者があった。
午前中は各自が情報交換や,同定などを行い,午後は新里会長のあいさつの後,以下の講演が行われた。
近畿〜東海地方におけるビャクシンカミキリの分布 長谷川道明・湯沢宣久・細川浩司 |
長谷川さんから,2011年に近畿〜東海地方の集材所のスギを夜間見回り,ビャクシンカミキリの調査を行った。活動のピークは夜8時ごろで,上翅の紋の変異には地域性があることなどの報告がされた。また,調査で得られた多数のビャクシンカミキリの標本も,参加者に回覧された。 |
ハネナシナガクチキの生態について 蟹江 昇 |
今まで相性が悪く全く採集できなかったハネナシナガクチキを,2011年の正月に愛知県内で複数採集することができた。採集した場所は,照葉樹林内のテラス状になった所にあった半分落ち葉に埋もれたアカガシの枯れ枝で,11月には材の中に入っている新成虫を狙って調査を行った。1回目の調査では,ナタで削ってアカガシの枯枝の中からシバンムシやキクイゾウムシが出てきただけであったが,2回目の調査で,ようやく枯枝の中にいたハネナシナガクチキの幼虫や新成虫を見つけることができた。どのような材に入っていたかなどが,発見までの苦労話を交えて報告された。 |
スプレーイング採集で得られた甲虫類 井上晶次 |
2011年からゾウムシを狙って,愛知県と滋賀県で,生木にできたウロでスプレーイング採集を行った結果,46科205種832個体の甲虫を採集し,うちゾウムシは42種256個体を採集した。普段なかなか得られないゾウムシを採集することができ,一部のゾウムシにもスプレーイングが有効な採集方法の一つであることや,スプレーイングをしてから4時間経過してから落ちてくる甲虫もあったなどの報告がされた。 なお,白布の設置方法に色々と工夫をされてみえる点は,興味深かった。 |
北海道東部のカラマツ造林地に侵入したカラマツカミキリ 新里達也・渡貫修太郎・秋田勝己 |
新里会長から,カラマツカミキリは,本州東部の亜高山帯のカラマツ天然林に固有の種であったが,近年は本州のカラマツ造林地に侵入してきている。最近, |
一人一話では,
2011年度第2回 名古屋例会 記録
場 所 三重県環境学習情報センター(
当日の概要
午前中は,各自が情報交換や不明種の同定などを行い,午後は長谷川さんから,2012年の甲虫学会大会が豊橋自然史博物館で開催されるので,地元の会員の方々もご協力いただきたいとの話があった.また,生川からは,今回の例会は三重県の会員の方々に講演をしていただくので,2012年2月は愛知県,2012年8月は岐阜県の会員の方々に講演をしていただきたいとのお願いをさせていただいた.その後,以下の講演が行われた.
○三重県のネクイハムシ(乙部 宏・秋田勝己)
○雲出川中流域の河原の甲虫(今村隆一)
○アバタツヤナガヒラタホソカタムシについて(生川展行)
乙部 宏氏と秋田勝己氏の講演では,三重県のネクイハムシ6種の分布状況や,近年生息環境の消滅や悪化により,生息地が減少してきている状況が報告された.
今村氏の講演は,三重県では近年ほとんど採集できなくなったカワラゴミムシを採集したことがきっかけで,雲出川の河川敷でピットフォールトラップ調査を行った結果の報告で,オサムシ科の中ではヤコンオサムシの個体数が多かったとのことであった.
生川は,アバタツヤナガヒラタホソカタムシの分布や生息環境について説明し,以前多数の個体を確認した三重県大紀町では,アバタツヤナガヒラタホソカタムシの生息に適したマツの倒木や立枯木がなくなってしまった結果,最近はほとんど見られなくなったことを報告した.
講演の後は,一人一話として,各自が最近の採集成果や近況報告などがされた.なお当日は,(故)市橋甫氏の多数の別刷を展示し,希望者に配布させていただいた.
なお当日は,参加者が15名と少し寂しい例会であった.
2011年度第1回 名古屋例会 記録
場 所 三重県環境学習情報センター(
当日の概要
午前中は,各自が情報交換や不明種の同定などを行い,午後は新里会長のあいさつの後,以下の講演が行われた.
○デジタルカメラを使用した甲虫標本の深度合成撮影方法(稲垣政志)
○
○日本のセスジハネカクシの最近の知見(島田 孝)
○日本から記載されたアオカミキリ類の不明種(新里達也)
稲垣氏には,今までの撮影方法と,深度合成撮影の違いについて,実際の映像を交えて分かりやすく説明していただき,また平城京の井戸跡地から発掘された食糞コガネムシの死がいについての興味深い報告もしていただいた.
高校生の辻君には,
講演の後は,一人一話として,各自が最近の採集成果などを報告した.なお当日は,(故)市橋甫氏の多数の別刷を展示し,希望者に配布させていただいた.
当日は,東京から新里会長や,神奈川から大木裕氏も参加していただき,合計35名と今までの参加者の記録を更新した.また,例会終了後の懇親会も18名が参加し,久しぶりに賑やかな懇親会となった.
2010年度第1回 名古屋例会 記録
日 時 2010年2月21日(日)午前10時〜午後5時
場 所 三重県環境学習情報センター(
当日の概要
午前中は,各自が情報交換や不明種の同定などを行い,午後は新里会長や長谷川幹事のあいさつなどの後,以下の講演が行われた.
○三重県のゾウムシ相(官能健次)
○日本産マルテントウダマシについて(生川展行)
○東海地方でヒメビロウドカミミリを探そう!(長谷川道明)
○本州で発見されたエゾアメイロカミキリ(新里達也)
講演の後は,一人一話として,各自が最近の採集成果などを報告した.なお当日は,(故)市橋甫氏の多数の別刷を展示し,希望者に配布させていただいた.また,例会終了後は懇親会も開催され,大部分の方々が参加された.
参加者は東京1名,静岡1名,石川1名,愛知6名,岐阜5名,三重10名の合計24名であった.