東京例会 TOKYO
東京例会冬季例会開催のご案内
会員の皆様におかれましては,ますますご清栄のこととお喜び申し上げます.来る 2024年度冬季例会につきましては以下の日程・場所で実施の予定です。最近の例会と同様、対面とオンライン(zoom使用)とのハイブリッド開催を予定しております。今後くわしい内容が固まり次第,また開催要項に変更があり次第、学会ホームページにてお知らせしますので,会員各位におかれましては,こまめに学会ホームページの方をチェックいただき,ふるってご参加いただけますようお願い申し上げます.
日時:2024年12月21日(土) 13:00~16:30
※オンラインでの開催時間および参加方法については学会ホームページでご案内します。
対面開催場所:国立科学博物館附属自然教育園第一講義室(下図)〔交通〕JR山手線 「目黒」駅東口より目黒通り徒歩7分 または、東京メトロ南北線/都営三田線 「白金台」駅出口1より目黒通り徒歩4分
話題提供:2~3題の話題提供に続き、参加会員から短時間(めやす各10分)の研究発表を求めます。
※対面、オンラインとも参加ご希望の方は事前に幹事の方へお申し出ください。発言、発表をご希望の方もその旨例会幹事までお知らせください。
お問合せ先(東京例会担当):〒305-0005 茨城県つくば市天久保4-1-1 国立科学博物館動物研究部 野村周平nomura@kahaku.go.jp
東京例会 今後の予定
●2025年の予定
未定
東京例会の記録
●2024年第2回東京例会日時:2024年9月14日(土曜日) 10:00~16:30
会場:国立科学博物館附属自然教育園(東京都港区白金)
対面+オンライン(ハイブリッド)で開催,参加人数(登録者数)対面29名+オンライン6名=35名
以下の講演と参加者の随時発表が行われた.
1)関 崚大(九州大学)「カメルーン昆虫採集紀」 | ||||||||||||
カメルーンはアフリカ西部に位置し、国土は日本のおよそ1.3倍、人口2,791万人の中に約250部族が存在する共和制国家である。カメルーンにはさまざまな植生があり、砂漠からサバンナ、熱帯雨林にいたるまで、アフリカの自然が詰まった国といわれている。今回、丸山宗利先生(九州大学総合研究博物館)率いる昆虫写真家チームと共に熱帯雨林に囲まれたエボゴ村に訪れた。現地の研究者および採り子の方々にも協力してもらい、様々な昆虫の生態写真の撮影や好蟻性昆虫、テントウムシ科甲虫などの調査を行なった。 宿泊したロッジにエアコンは無く、水道も出なかった。食事の際は、食中毒にならないためにコップや食器を毎回除菌シートで拭くように徹底した。現地の文化や暮らしを肌で実感し、驚かされるとともに、体力面と精神面でとても力がついた。また、調査では、一度に得られる昆虫の種数・個体数が凄まじく、未記載種と思われる種も採集することができた。本講演では、エボゴ村に滞在した生活記録、村周辺で確認された多種多様な昆虫類とそれら昆虫類の魅力を紹介し、加えて、専門であるテントウムシ科甲虫についての調査結果を紹介した。 | ||||||||||||
2)野村周平(国立科学博物館)・松原豊(横浜市)「東京都心におけるシロテン/シラホシハナムグリ の近年の動向」 | ||||||||||||
東京都心部、特に沿岸部では、2010年代前半からそれまで発生していたシロテンハナムグリに加え、シラホシハナムグリが見られるようになった。場所、時期によっては非常に高密度でみられることもあった。この2種の動向について、1)東京港野鳥公園(大田区)、2)国立科学博物館附属自然教育園(港区)、3)皇居(千代田区)における近年の動向を取りまとめた。各所における、2000年以降のシロテンハナムグリおよびシラホシハナムグリの発見(または再発見)年度は以下のとおりまとめられた。
シラホシハナムグリは従来南関東における記録が少ないとされてきたが、証拠標本を伴う文献記録を調査したところ、神奈川県および東京都23区内においては1940~1950年代、東京都多摩地区においても1970年代以降記録がないことが確認できた。 2010年代よりコウノトリやフクロウの巣からシラホシハナムグリの幼虫が報告されているが、それらの論文を批判的な意見とともに紹介し、その生態的意義を考察した。 近年東京周辺で増加した個体群と古い記録の個体群が異なる由来を持っている可能性を論じ、地域昆虫目録やレッドデータブックなどでは両者を区別して扱うべきという提言を行なった。以上の講演に引き続いて,参加者の中から次の2名による短い話題提供の後,一人一話を行った:韓昌道、田作勇人. |
●2024年第1回東京例会
会場:国立科学博物館附属自然教育園(東京都港区白金)
対面+オンライン(ハイブリッド)で開催,参加人数(登録者数)対面34名+オンライン16名=50名
以下の講演と参加者の随時発表が行われた.
1)堀内一樹・柳原健人(東京農業大学):「鹿児島県三島村における甲虫相調査 ~ハネカクシ科・ゾウムシ上科を中心に~」 |
鹿児島県三島村は、薩摩半島と屋久島の間に位置し、竹島・硫黄島・薩摩黒島の3つの有人島から構成される。竹島・硫黄島近海には鬼界カルデラが存在し、約7,300年前に大規模な噴火が起こった。噴火により竹島・硫黄島の生物相は壊滅的な被害を受けたが、比較的離れた場所に位置する黒島の生物相は、影響が少なかったと考えられている。以上のような地史の違いから、三島村は島ごとに異なる生物相が知られているが、三島村における昆虫相の解明は、メジャー昆虫類を除き、解明度が低い現状にある。 本講演では、ハネカクシ科とゾウムシ上科を中心に甲虫相解明を目的とした調査の様子や結果を紹介した。また、これら2グループの種数および種構成から、本地域におけるハネカクシ科・ゾウムシ上科甲虫相の成立について考察した。 |
2)菅谷和希(㈱環境指標生物)・柿添翔太郎(国立科学博物館)「Ryukyuaphaenopsの発見とその後の調査状況」 |
オキナワアシナガメクラチビゴミムシRyukyuaphaenops pulcherrimusは、昨年末に新属新種として記載された琉球列島初となるメクラチビゴミムシである。Aphaenops型のいわゆる超洞窟性種であり、日本国内で最も地下環境に特化した昆虫の一つと考えられる。このような顕著な種がこれまで発見されなかったのは、調査が困難な地下深部の湿潤環境に依存した種の可能性があるためと予想される。また、一般的なチビゴミムシと異なり、洞窟壁面を活発に動き回るという特性もまた、発見を遅らせた理由の一つかもしれない。以上のような本種の特性を把握したうえで、本部半島内における調査を継続した結果、既知産地から地理的に離れた地域において、同属未記載種を新たに得た。よって、Ryukyuaphaenops属は、本部半島内に比較的広く分布し種分化していることが判明した。また、調査は洞窟外でも実施しており、新属と思われる未記載種を地下浅層から発見することにも成功している。今後は、以上のチビゴミムシ類のより詳しい分布状況の把握に努めるとともに、調査範囲を本部半島以外にも拡大させ、ゆくゆくは琉球列島全域におけるチビゴミムシ亜族の多様性解明に向けて調査を進めていく予定である。 |
3)野村周平(国立科学博物館)「国立科学博物館附属自然教育園と皇居の大型コガネムシ類発生調査について」 |
演者らは、2009年以降、ノムラホイホイ型のベート・トラップ(エサはバナナ)を用いて、皇居吹上御苑において、誘引される大型コガネムシ類の発生調査を断続的に行っている。現在の第Ⅲ期の調査においても、すでに2年分のデータを取っており、今年で3年目に入る。皇居では、ノコギリクワガタ、コクワガタ、カブトムシ、カナブン、シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリの6種が恒常的に採集され、コカブトムシ、クロカナブン、リュウキュウツヤハナムグリの3種がまれに確認される。自然教育園では2017年度と2028年度に同様の調査を実施した。その結果、皇居で恒常的に確認された6種に加えて、国内外来種と考えられるリュウキュウツヤハナムグリが発見されている。発生傾向については、おおよそ皇居と同様であった。しかしながら、2017年度と2018年度で調査方法が変わったため、年度間の比較ができなかった。また、高所(地上約1m)と低所(地上約4~5m)の比較は2017年度のみ行ったが、ノコギリクワガタ、コクワガタ、カブトムシいずれも高所のほうが多かった。 |
●2023年第3回東京例会
会場:国立科学博物館附属自然教育園(東京都港区白金)
対面+オンライン(ハイブリッド)で開催,参加人数(登録者数):対面29名+オンライン13名=42名
以下の講演と参加者の随時発表が行われた.
1)清水隆史会員(東京大学):「日本列島のツヤヒラタゴミムシ属Synuchusにおける飛翔形質の多様性と遺伝構造」
オサムシ科の甲虫であるツヤヒラタゴミムシ属は,複数種で飛翔に関わる形態形質(飛翔形質)の種内多型をもつことが知られている.したがって,飛翔能力が退化する途上にあると考えられ,飛翔能力の退化が甲虫の種分化を促進するという仮説を詳細に検証する上で優れた材料である.本研究では,本属の飛翔形質の進化が遺伝的分化にもたらす影響を明らかにすることを目的として,飛翔形質の多様性,飛翔形質の進化プロセス,飛翔形質の進化と遺伝的分化の関係の3点を検討した.
研究には,日本列島の110地点から収集した22種781個体を用いた.解剖によって飛翔形質を確認するとともに,分子系統解析を行って系統樹を構築し,系統樹をもとに飛翔形質の祖先復元解析と系統一般化最小二乗法による解析を行った.研究の結果,本属には様々な飛翔能力の退化段階にある種が混在しており,飛翔形質の退化は複数の系統で独立に進化してきたことが示された.さらに,本属では後翅長の減少に伴い,集団間の遺伝的分化が促進されてきたことが明らかになった.このことは,飛翔能力の退化の途上段階においても,異所的種分化が促進される可能性があることを示唆する.
2)大木裕会員(横浜市)「宮崎県綾町ユネスコパーク(調査観察会実施現地)の紹介」
宮崎県綾町ユネスコパークの魅力に関して,宮崎空港から1時間未満であること,ユネスコエコパークであることの魅力,並大抵ではないスケールの照葉樹林と採集のポイント,他では減少した甲虫がまだ残っていること, 分布上の日本の北限,南限に相当する種類の議論,綾町からの記載種,日本未記録,未記観種の紹介など,いろいろな観点からの魅力が紹介された.今年参加した,会場出席者からも感想が補足された.2024年度も7月6-7日に同じ場所で調査観察会が開催される.
3)野村周平会員(国立科学博物館)「国立科学博物館附属自然教育園と皇居の外来種甲虫事情」
東京都心に位置する国立科学博物館附属自然教育園では2018年までの調査で,11種の外来種甲虫が見いだされた.外来種率は約2.1%となった.同じく都心の皇居(東京都千代田区)では,現在進行中の調査までを含めて,8+8=16種の外来種甲虫が見いだされた.外来種率は,全体の記録種が約1,000種とすると,1.6%であった.甲虫に限らず,外来種と在来種,国内外来種の間の線引きは難しく,これらを明確に分類するための確実な基準が必要な状況である.本研究に関連して演者は,日本学術振興会 科学研究費補助金基盤(B)(課題番号:21H02212;代表者: 井手竜也)の助成を受けている.
以上の講演に引き続いて,参加者の中から次の2名による短い話題提供の後,一人一話を行った:野村周平,中村涼.
●2023年第2回東京例会
日時:2023年9月2日(土曜日)10:00-16:30
前回同様、国立科学博物館附属自然教育園(東京都港区)で実施された.今回初めての試みとして上記会場で対面実施するとともに、オンラインでも参加者を募って話題提供を配信した。オンラインでの参加人数:30名
以下の講演と参加者の随時発表が行われた.
1)井上翔太(東京都立大学)「ヒゲナガアリヅカムシ上族の多様性」」
ハネカクシ科アリヅカムシ亜科は、世界から1万種以上が知られる多様な分類群であり、各節が癒着し硬化する腹部、変形する小顎肢、オス触角の著しい形態的多様性、など一般的なハネカクシとは異なる形態的特徴を示す。本亜科は6上族に分類されており、そのなかでもヒゲナガアリヅカムシ上族は形態的、生態的に極めて多様な一群として知られる。演者は本亜科の形態的な多様性がいかにして生じてきたのかについて興味をもち、分類や系統、生態に関する研究に取り組んできた。本公演では、日本産コケアリヅカムシ属の多様性と地理的隔離の関係、ヒゲカタアリヅカムシ属における好蟻性・好白蟻性の進化など、これまでの研究成果の紹介を行い、本亜科の興味深い行動、そして今後の展望などを紹介した。.
2)柿沼駿輔(東京農工大学)「飛べないクワガタムシの魅力」.
日本に分布するクワガタムシ科は全種が発達した後翅を持つが、日本国外には後翅が退化し飛翔能力を失った種が複数の属において存在する。これらの種は形態的・生態的に特殊な進化を遂げている点で非常に興味深いが、その退化した後翅の形態や生態に関しては、クワガタムシ科への関心が高く、多くのクワガタムシに関する文献が出版されている日本国内においても、一部の属を除くとほとんど知られていない。本発表では世界の後翅が退化した種が含まれるクワガタムシ科全属とその後翅形態や分布域などを簡単にまとめ、これまでに演者が生息地で観察できた種のうちAgnus gomyiおよびBomansius属の生態を紹介した。
以上の講演に引き続いて,参加者の中から以下の発表者が話題提供を行った:野村周平.
●2023年第1回東京例会
日時:2023年3月11日(土曜日)13:00-16:30
コロナ禍以来久しぶりに,国立科学博物館附属自然教育園(東京都港区)で対面実施された.参加人数:37名
以下の講演と参加者の随時発表が行われた.
1)内海幸弘会員(国立科学博物館):「大東諸島の水生甲虫類-生息地の現状と南北比較-」
大東諸島は沖縄島から約400 km東の太平洋上に位置する海洋島群であり,有人2島と無人3島の,合わせて5つの島々で構成されている.このうち,有人島の南大東島および北大東島においては大小様々なドリーネが発達しており,そこに雨水などが溜まることで,多くの湿地がパッチワーク状に形成されている.これらは水生甲虫類の良好な生息環境となっていることが知られているが,近年は個体数の減少や環境の悪化が指摘されている.本講演では,南・北大東島において2020-2021年に実施した水生甲虫類の分布調査の結果を示すとともに,侵略的外来種の侵入状況等,生息地の現状についても報告した.さらに,「10回の掬い取り」による定量調査手法確立の試みについて紹介するとともに,統計解析により推定した南・北大東島における水生甲虫類の多様性および群集組成に影響を与える環境要因についても報告を行った.
2)齋藤諭会員(㈱トーニチコンサルタント):「Chrysolinaあれこれ ~国内事情を中心に~」
講演ではハムシ科ヨモギハムシ属の国内事情について以下の話題を提供した.
(1)国内の種類:現在までに15種が確認されている.これらのうちキリガミネハムシ,ナナセキハムシについて近縁タクサとの類縁関係について紹介した.
(2)オオヨモギハムシ種群の進化学:本種群は日本国内では北海道と本州北部に分布し,少なくとも20のユニットが存在する.これらユニットの分布パターンや遺伝的類縁関係をもとに,本種群が細分化するに至った進化プロセスの仮説を紹介した.
(3)日本で見つかる可能性がある種類・産地:次々と新たな発見がある国内の状況を鑑み,今後国内で発見される可能性がある種類・産地を予測し紹介した.
(4)系統と食性:ヨーロッパ産種の分子系統樹と食性との関係を参考に,日本産種の系統関係について予想し,また本属に近縁な属との類縁関係に関する課題を紹介した.
3)野村周平(国立科学博物館)「国立科学博物館附属自然教育園の甲虫多様性の現状と今後の課題」
国立科学博物館附属自然教育園(港区白金)は,東京都心の市街地の海に浮かぶ島状の小緑地である.1950年代から最近まで長きにわたって昆虫相(含甲虫相)の調査が継続されてきた.2007年にまとめられた目録では51科476種,2016-2018年度の調査では,68科536種の甲虫がリストアップされている.2者の累積では,70科834種が認められる.しかし,2者間の共通種は178種(33,8%)と少なく,多数の甲虫種が長年の間に入れ替わっている可能性が示唆される.
自然教育園と皇居から記録された累積種数を,瀬戸内海の島々で調査された種数/面積のグラフにプロットすると,2か所ともに回帰直線から種数の多い方へ大きく隔たった場所に位置する.その推定される要因としては,調査期間が長く調査精度が高い,周辺地域からの流入が多い(?)などの点があるが,それだけでは十分な説明にはなっておらず,やはり長い調査期間の間に甲虫相が大きく変化した可能性が示唆された.
自然教育園に見られる外来種の割合は,2016-2018年度の調査では,11/536種=2.1%であり,低いレベルにあるとみなされる.
以上の講演に引き続いて,参加者の中から次の2名が5月に開催予定の調査観察会(宮崎県綾峡)についての話題提供を行った:大木裕,野村周平.
●2022年第3回東京例会
日時:2022年12月17日(土曜日)13:30-15:30
オンラインで開催,参加人数:41名
以下の講演と参加者の随時発表が行われた.
1)千田喜博会員(庄原市立比和自然科学博物館):「日本列島のナガハネカクシ属Lathrobiumとその周辺:中四国の種多様性を中心に」
ナガハネカクシ属は全世界から800種弱が知られる大属で,日本からは135種の記録がある.日本 では主に渡辺泰明博士によって分類学的研究が進められ,地下性/土壌性の種が地理的に著しく分 化していることが明らかになってきた.しかし,その多様性の全貌解明には至っておらず,最近 でも続々と新種が記載されている.本講演では近年の高次分類の変遷や,日本における研究史, 国内各地域で記録されている種についてレビューしたあと,演者が重点的に研究を行っている中 四国地域の土壌性の種に関する研究の概要について報告した.合わせて,内袋を含む雄交尾器の 構造や雌交尾器に着目した種群分類の見直しについても紹介を行った.また,ナガハネカクシ属 に近縁で過去には同属とされていた,コガシラナガハネカクシ属とスジナガハネカクシ属に関す る最近の分類学的処置や生物地理学的な知見を紹介した.そして,これらについても国内で不明種 が発見されているなど,さらなる調査が必要であることを示した.
2)村上広将会員(愛媛大学環境昆虫学研究室):「日本および台湾産カッコウムシの分類学的研究」
カッコウムシはサビカッコウムシ科とカッコウムシ科の総称で,世界で約3,800種が知られてい るコウチュウ目の1グループである.演者は,Gimmel et al. (2019), Bartlett (2021)による最近の高 次分類に沿って,特に研究を進めている日本と台湾産種を紹介し,現時点で明らかになっている分 類学的な問題を詳しく解説を行った.宮武 (1985)の原色日本甲虫図鑑では日本から約50種 ,Corporaal (1950)のJunkのカタログでは台灣から約40種が知られており,以降の演者を含む数人 による研究により,現時点では日本から約60種,台湾から約70種,両地域併せて37属109種(共通種 24種)が分布していることになる.また,カッコウムシについて調べる際,役に立つホームページも 紹介した.
以上の講演に引き続いて,参加者の中から次の2名が短い話題提供を行った:野村周平,上田 衛門.
●2022年第2回東京例会
1)細谷忠嗣会員(日本大学生物資源学部):「トカラ列島のコガネムシ上科甲虫調査」
トカラ列島は屋久島と奄美大島の間に位置し、南北約160kmに渡って点在する弧状列島であり、有人7島と無人5島の合わせて12の島々で構成されている。島々への定期便は週2便の十島村村営フェリーのみであり、普通では訪れる機会のない不便な離島である。しかし、トカラ列島には動物区系の旧北区と東洋区の境界が位置しており、生物相が変化する生物地理学上重要な地域である。本講演では、まずトカラ列島の特徴や調査許可について説明し、2008年から継続調査しているコガネムシ上科甲虫の分布調査の結果を紹介した。それぞれの島ごとに確認種と新規の記録等を示し、今後検討を必要とする種についても簡単に紹介した。また、現在無人島となっている臥蛇島における調査についても紹介を行った。2)菅谷和希会員(㈱環境指標生物):「日本産チビゴミムシ族の分類学的研究近況」
チビゴミムシ族は、洞窟適応形態(体色素欠乏、複眼や後翅の退化、付属肢の伸長、感覚毛の発達など)を備えた系統が世界中に存在し、多様な種分化がみられることで有名なオサムシ科甲虫である。日本では1950年以降、元国立科学博物館名誉研究員の上野俊一博士を中心に精力的な調査・研究が進められ、発表された新種(亜種含む)は実に400以上にものぼるが、今なお続々と未記載種が見つかっている。本講演では、チビゴミムシの分類形質や、この10年間にあった日本産種に関する分類学的処置について簡単に触れたあと、演者がここ最近重点的に調査を進めているグループについて紹介した。
以上の講演に引き続いて、参加者の中から次の2名が短い話題提供を行った:韓昌道、札周平。
●2022年第1回東京例会
日時:2022年3月12日(土曜日) 13:30~15:30
オンラインで開催、参加人数:61名
以下の講演と参加者の随時発表が行われた。
1)柳丈陽会員(東京農業大学):「地下水性ゲンゴロウの魅力 ~日本と世界の地下水性ゲンゴロウの多様性とその調査法~」
地下水に生息する地下水性ゲンゴロウは、日本からは3属13種、世界では疑わしいものも含めると200種以上が知られている。それらは、亜科が異なっていても、全身に感覚毛を生やし、頭部が大きく、平らな体型をしているという帯水層の間隙に適応した形態に収斂している。
本講演では、これらの地下水性ゲンゴロウについて形態学的な特徴や研究の進捗について解説し、分布や国内外の複数の未記載属・種への系統分類学的研究の現状や課題について、標本・生態写真や、SEM写真
などを用いて報告した。また、一般の研究者がアクセスしにくい「地下水」への調査について、講演者が調査に使用している器具や、井戸の機構、そして地下水性動物の生息が期待できる条件などの調査アプローチを説明した。これらを通じて、昆虫の中でも異質な存在である地下水性ゲンゴロウの魅力を紹介した。
2)渡部晃平会員(石川県ふれあい昆虫館):「セスジゲンゴロウ属の生活史解明に向けて飼育から見えてきたこと」
セスジゲンゴロウ属は、世界で454種9亜種が知られる、ゲンゴロウ科の中でも大きな属である。本属は、降雨後にできる水たまりのような『一時的な水域』に生息するという特異な生態を持つ。幼虫は複数種が記載されているのみで、大半の種は未知である。筆者は、正確に同定された成虫を繁殖させることにより、セスジゲンゴロウ属複数種の幼虫を得ることに成功し、未成熟期の姿、産卵から羽化に至るまでの生態、成虫の生理的な寿命など、生活史に関する多くの知見を得ることができた。本講演では、本属の飼育方法、これまでの研究により明らかになったセスジゲンゴロウ属の興味深い生態を紹介した。また、不安定な水域で生息・繁殖する中で、特異な生態がどのように有利に働くのかという視点で考察し、その仮説を紹介した。
以上の講演に引き続いて、参加者の中から次の2名が短い話題提供を行った:中村涼、野村周平。
●2021年第2回東京例会
日時:2021年12月18日(土曜日) 13:30~15:30
オンラインで開催、参加人数:37名
以下の講演と参加者の随時発表が行われた。
1)瀬島勇飛氏(東京農業大学):「ハナムグリ亜科(甲虫目:コガネムシ科)の幼虫期における前胸硬皮板の比較形態学的研究」
ハナムグリ亜科甲虫は、幼虫での種同定が難しい分類群とされている。本亜科では幼虫の前胸に発達した硬皮板(prothoracic shield)を有し、その周辺には刺毛配列が見られる。今回,日本産ハナムグリ亜科の16種について硬皮板周辺の刺毛配列に着目し、種間ならびに齢期ごとの比較を行なった。その結果、同定形質としての有用性が示されたので報告した。
2)柿添翔太郎氏(九州大学):「広義マグソコガネ亜科の多様性とその魅力」
広義マグソコガネ亜科は、体長1-20 mm程度の小型のコガネムシである。これまでに狭義マグソコガネ亜科に含まれる10族と、狭義マグソコガネ亜科に近縁であると考えられている5亜科の計15分類群が知られている。「馬糞(まぐそ)」という名前から受ける印象とは異なり、意外にも糞食以外の食性を持つ種も多く、生息環境も海浜から高山、熱帯から寒帯、そして小動物や社会性昆虫の巣に至るまで実に多様である。講演者は、そのようなマグソコガネに魅せられてこれまで研究を行ってきた。本講演では、既知の全15亜科・族の簡単な紹介や、日本における本亜科に 関係した解決すべき課題等の紹介を通じて、多くの写真や調査の裏話も交えながらマグソコガネ亜科の魅力を紹介した。
以上の講演に引き続いて、参加者の中から次の4名が短い話題提供を行った:木内信,韓昌道、上田衛門、秋田勝己。
●2021年第1回東京例会
日時:2021年9月11日(土曜日) 13:30~15:30
オンラインで開催、参加人数:最大25名
以下の講演と参加者からの話題提供が行われた
吉田貴大氏(東京都立大学):「ヒラタムシ上科の自然史」
ヒラタムシ上科は25科が含まれる分類群であり、多くの種がさまざまな隠蔽的微環境で生活している。講演者は本上科の甲虫がいかにして各隠蔽的微環境に適応したのかについて興味を持ち、本上科の生物学的基礎情報の蓄積を進めるとともに、本上科の形態/生態の進化過程について研究を進めてきた。本講演では、講演者の自己紹介と自身の研究のフレームワーク、二次元的な環境で生活する分類群を中心とした本上科の自然史に関する簡易的なレビュー、ならびに、チビヒラタムシ科幼虫の跳躍に関する最新の共同研究の紹介を行った。
以上の講演の後会務報告として、上野俊一先生追悼出版物についての説明と本年度大会(オンライン開催)の案内が行われた。その後参加者のうち3名から興味深い話題提供が行われた:中村涼、韓昌道、野村周平。
●2020年第1回東京例会
日時:3月14 日(土)に予定していましたが、コロナウイルス感染防止のため中止しました。
●2019年第2回東京例会
日時:2019年9月21日(土曜日) 10:00~16:30
場所:国立科学博物館附属自然教育園講義室
以下の講演と一人一話が行われた
上村佳孝氏(慶應義塾大学・生物学教室):「昆虫の交尾器形態はなぜ多様化するのか?」
交尾をおこなう動物では、交尾器の形の進化は速い。したがって、特に種数の多い昆虫類―とりわけ甲虫類― では、交尾器の観察は同定・記載に欠かせない作業である。「体より長い交尾器」、「メスを傷つけるオス交尾器」、そして、「メスのペニス」など、演者がこれまで関わってきた研究事例を紹介し、交尾器形態が多様化する原因を議論した。
樽宗一朗(東京農大・昆虫学研究室):「琉球列島産オノヒゲアリヅカムシ属(ハネカクシ科,アリヅカムシ亜科)の種多様性」
オノヒゲアリヅカムシ属は旧北区と東洋区に分布し、琉球列島からは1種が知られている。各島での調査の結果、未記載種を含む計12種が分布していることが明らかになった。それぞれの種の形態的特徴と分布の紹介を行った。
●2019年第1回東京例会
日時:2019年3月2日(土曜日) 10:00~16:30
場所:国立科学博物館附属自然教育園講義室
以下の講演と一人一話が行われた。
野津裕氏:「シギゾウムシあれこれ,その2」
シギゾウムシの仲間はニュージーランドを除く世界各地で生息するとされています。それら各種の形態を紹介いただき,特に日本産の彼らの生態や生態と形態(特に口吻)との関係,近縁種との競合など長年の観察から得られた知見を紹介いただきました。
●2018年第3回東京例会
日時:2018年12月22日(土)午前10時~午後4時30分
場所:国立科学博物館附属自然教育園講義
参加者 32名
以下の講演と一人一話が行われた。
梶村 恒氏:「キクイムシ-菌類との関係を深めてきた甲虫-」
キクイムシがいかに多様で興味深い甲虫であるかについて、さまざまな生態(その食性、配偶様式、繁殖戦略)などや、共生菌との相互作用など興味深い話題を提供していただきました。内容が多岐にわたっておりましたので、質問が次から次へと途切れず、予定時間を大幅に超過してしまいました。例会終了後は、忘年会を開催しました。
●2018年第2回東京例会
日時:2018年9月1日(土)午前10時~午後4時30分
場所:国立科学博物館附属自然教育園講義
参加者 40名
以下の講演と一人一話が行われた。
関根秀明氏:「クロアシコメツキモドキの形態と生態」
金子直樹氏:「コガネムシ科甲虫における後翅折り畳み様式について」
両氏とも大学院の学生で,あまり注目されることのなかった種や形質の観察に積極的にとり込まれた研究内容はとても新鮮で多くの質疑応答がなされた。さらにこの盛り上がりは懇親会へと続いて行きました。
●2018年第1回東京例会
日時:2018年3月10日(土)午前10時~午後4時30分
場所:国立科学博物館附属自然教育園講義
参加者:31名
以下の講演と一人一話が行われた。
岩田隆太郎:「木質昆虫学」への招待」
木材を加害する昆虫について、昨年発刊された木質昆虫学序説に従って、特に甲虫類を中心に詳しく解説していただいた。
瑤寺 裕「旧世界におけるチビタマムシ族の交尾器形態について」
タマムシ科チビタマムシ亜科について、従来あまり分類に使用されていなかった交尾器の形態について解説いただき、重要な分類的形質であることが示された。
●2017年第3回東京例会
日時:2018年12月23日(土)午前10時~午後4時30分
場所:国立科学博物館附属自然教育園講義
以下の講演と一人一話が行われた。
土岐和多瑠氏:「ホホビロコメツキモドキの生態」
ホホビロコメツキモドキ属の新たに判明した一部の種が酵母と共生し、その酵母を食べて成長することや、左右非対称な頭部の意義などについてお話いただいた。。
高崎鉄也氏:「せっかく集めた虫は、どうしますか」
昆虫標本の相続に関する問題点について、専門の立場からわかりやすくお話しいただいた。
●2017年第2回東京例会
日時: 2017年9月9日(土)午前10時~午後4時30分
場所: 国立科学博物館附属自然教育園講義室
参加者:42名
以下の講演と一人一話が行われた。
秋田勝己氏「ゴミムシダマシの魅力」
昨年出版された大図鑑の共著者の一人である秋田さんから、ゴミムシダマシ科の概要、珍品度ランキング、新知見などさまざまな話題をユニークなスライドなどで楽しく紹介していただいた。
●2017年度第1回例会
日時: 3 月4 日(土)
場所: 国立科学博物館附属自然教育園講義室
参加者:32名
以下の講演と一人一話が行われた。
松田 潔氏「日本産ベニボタル科甲虫研究の課題」 |
日本におけるベニボタル科研究の第一人者である松田氏から、日本産の分類上の課題、幼虫の生態、今後のベニボタル科の研究課題についてお話しいただいた。 |
●2016年度第3回例会
日時: 12 月3 日(土)
場所: 国立科学博物館附属自然教育園講義室
参加者:26名
以下の講演と一人一話が行われた。
赤嶺真由美氏「ダイコクコガネ属の巣内行動における謎」 |
日大の赤嶺氏から、ゴホンダイコクコガネを用いて明らかにした、ダイコクコガネ属の雄の角の形態の特徴や、雄の角形態と巣内滞在行動あるいは季節的出現との関係、野外での雄の巣内滞在の実情など興味深い話題についてお話ししていただいた。 |
●2016年度第2回例会
日時: 9月3日(土曜日)
場所: 国立科学博物館附属自然教育園講義室
話題提供:
久保田耕平:「ルリクワガタ属の種分化と進化生態」
●2016年度第1回例会
日時: 3 月5 日(土曜日)
場所: 国立科学博物館附属自然教育園講義室
話題提供
生川展行:「日本のマルテントウダマシ科について
●2015年度第3回例会
日時:12 月5 日(土曜日)
場所: 国立科学博物館附属自然教育園講義室
話題提供
①岸本年郎:「甲虫をとおして生物多様性保全を考える」
②川村玄季:「カミキリムシ類成虫の頭部幕状骨形態について」
●2015年度第2回例会
開催日: 9 月 5 日(土曜日)
場所:国立科学博物館附属自然教育園講義室
話題提供
① 岸本圭子:「東南アジア熱帯雨林の植食性甲虫の季節性と植物との関係」
② 桐山 哲:「外来種クビアカツヤカミキリの被害・防除状況と得られた生態的知見」
③ 深谷 緑:「フトカミキリ亜科のカミキリムシおよびコガネムシの生態」
●2015年度第1回例会
開催日:2015年3月7日(土曜日)
場所:国立科学博物館附属自然教育園講義室
話題提供
① 林 靖彦:「芝田グループ半世紀の軌跡」
② 棚橋薫彦:「クワガタムシ科の共生微生物」
③ 渡邉花奈:「日本産ルリクワガタ属と共生酵母の共種分化過程および共生酵母の機能」
●2014年第3回例会
開催日:2014年12月6日(土曜日)
場所:国立科学博物館附属自然教育園講義室
話題提供: 亀澤 洋:「甲虫の生息場所としての「乾燥した樹洞」について」
開催日:2014年9月6 日(土曜日)
場所: 東京大学弥生キャンパス農学部1 号館 1 階
(1) 山迫淳介:アジア産ヤマナラシノモモブトカミキリ族の問題点と今後の展望
(2) 新里達也:ムナミゾアメイロカミキリの分類学
●2014年第1回例会
開催日:2014年3月8日(土曜日)
中南米の甲虫について
1 新里達也氏:コスタリカの自然と甲虫―生物多様性を守って活かす―
2 大木裕氏:エクアドルの熱帯雨林に昆虫採集の楽園を作る-Durango Arcadia構想(開発から守るために買収した、92haの森の自然)
2013年度 第3回
日時:2013 年12 月21 日(土曜日)
場所:国立科学博物館附属自然教育園講義室
1 話題提供
高桑正敏:「コブヤハズカミキリ類の分布接点をめぐって」
2 談話会 午前10時から13時
3 忘年会
2013年第2回東京例会
日 時 2013年9月7日(土)午後1時~午後4時30分
場 所 東京大学農学部(東京都文京区本郷)
当日の概要
以下の講演と一人一話が行われた。
参加者 約28名
○露木繁雄氏:「カミキリムシ発見史-古き良き時代のカミキリ物語」
ベテランのカミキリ屋である演者から、カミキリ界に新たな知見が続々と発見された古き良き時代について、特に興味深い27種について、発見時のエピソードなどの貴重な話を伺った。
2013年第1回東京例会
日 時 2013年3月3日(日)午後1時~午後4時30分
場 所 北沢タウンホール(東京都世田谷区北沢)
当日の概要
以下の講演と一人一話が行われた。
参加者 約20名
○高橋和弘氏 「日本産ジョウカイボン科の現状と今後の動向」
演者により、Asiopodabrus属をまとめた論文が出版されたのを機会に、全貌がようやく明らかになってきた日本産ジョウカイボン科について、Asiopodabrus属の概要を中心に、その他の属も含めて今後の見通しについて紹介があった。
2012年第3回東京例会
日 時 2013年1月12日(土)午後1時~午後4時30分
場 所 北沢タウンホール(東京都世田谷区北沢)
当日の概要
以下の講演と一人一話が行われた。
参加者 約20名
○韓 昌道氏 「2012年に北朝鮮で採集した甲虫類について」
演者は、2008~2010年にかけて、朝鮮半島北部(朝鮮民主主義人民共和国)において主として甲虫類を中心に調査を実施しているが、2012年に4度目の訪朝機会があり、4月から7月までの3ヶ月間を平壌に滞在しながら、仕事の合間に採集を行った。当日は、採集された約3,000頭の昆虫類のうちとくに甲虫類について、北朝鮮の自然環境とともに紹介があった。特に妙香山や金剛山、そして演者の念願であった白頭山での採集風景などもスライドで紹介いただいた
2012年第2回東京例会
日 時 2012年9月22日(土)午後1時~午後4時30分
場 所 北沢タウンホール(東京都世田谷区北沢)
当日の概要
以下の講演と一人一話が行われた。
○斉藤秀生氏
長年調査を継続されてきたインドネシアの島嶼のカミキリムシについて、地理的変異や分類上の問題点に加えて、実際の調査における苦労話等についてもお話しいただいた。
2012年第1回東京例会
日 時 2012年3月4日(土)午後1時~午後4時30分
場 所 北沢タウンホール(東京都世田谷区北沢)
当日の概要
以下の講演と一人一話が行われた。
○鶴 智之氏
ご専門である日本産ヒメハナノミの分類と、環境指標動物としてのハナノミの可能性についてお話しされた。分類に関しては、最近まとめられた学位論文から、日本産ヒメハナノミの状況と分類上の問題点について話された。
2011年第3回例会
日 時 2011年12月3日(土)午後1時~午後5時
場 所 国立科学博物館附属自然教育園(東京都港区白金台)
当日の概要
以下の講演が行われた.
○(益本)
ゴミムシダマシの研究者である益本さんに最近の分類における興味深い話題を提供いただいた。現在、科博に寄贈された標本が移転中のため使用できないことから、短時間の講演となったが、ぜひとも続きをお聞きしたい内容であった。
○(河合)
若手のカミキリ屋の河合さんから、記録のない地点から珍しいカミキリを記録するためのさまざまな手法や、努力した経緯をお話いただいた。若手らしくバイタリティあふれる活動に、参加者のみなさんは感服していたようだった。