【会長挨拶】
2025年、新しい年度の始まりです
2025年、新しい年度の始まりです
日本甲虫学会会長
久保田耕平
久保田耕平
<2025年1月18日掲載>
2025年、あけましておめでとうございます。
昨年の日本甲虫学会の役員選挙で、第8期2025-2026年度の日本甲虫学会会長に再選させていただきました。気持ちを引き締めて新しい年度に向かいたいと思います。
新年度にぜひ取り組みたいと考えているのは、英文誌Elytra new seriesの電子化です。メリット・デメリットをよく検討した上で、よりよい形での導入を目指し、昨年からワーキンググループでの議論をお願いしています。他方で、さやばね・ニューシリーズについては、現在の冊子体の形態を維持し、広く会員の皆様の研究発表や交流の場として活用してゆくことを考えています。学会誌以外にもさまざまな学会運営の改革が必要かもしれません。ぜひとも皆様のご意見を聞かせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
さて、コロナ禍も一段落し、昨年はほとんどの学会行事が以前と同様に対面で開催されました。11月の東京都立大学での大会では、2019年以来の懇親会も実施されました。地方例会はコロナ禍で培ったノウハウで、ハイブリッド開催となったところもあります。また、昨年は1980年以来となる日本での国際昆虫学会議が京都国際会議場で開催されました。会場では、懐かしい国内外の多くの虫仲間との再会を果たし、日本甲虫学会会員の皆様の発表もたくさん拝見・拝聴することができました。私個人としては、7月の宮崎県綾町での調査観察例会が楽しい思い出となりました。宿近くでのライトトラップにも多数の虫が飛んで来ましたし、イチイガシが生い茂る照葉樹林での観察も素晴らしいものがありました。甲虫ではありませんが、ムラサキシジミやムラサキツバメに混じって、久しぶりにルーミスシジミを間近で見ることができました。現地では普通種なのでしょうが、関東に住む私にとっては、ヒメオサムシを見るだけでも嬉しい気持ちになります。
昨年の大会の時にはまだご案内できなかった今年の大会は、奥島雄一会員のお世話になって11月15日(土)~16日(日)に倉敷市立美術館・倉敷市立自然史博物館で実施することが決まりました。これから、種々の例会の日程・内容も順次決まってゆくことと思います。今年も皆様とお話しできる機会を楽しみにしております。最近は温暖化やシカの食害の影響等が虫屋の気持ちを暗くさせることも多くなりましたが、今年の冬は久しぶりに冬らしい冬となりました。今年1年が穏やかで、皆様にとって楽しく成果のある1年になることを心から祈っております。
会長あいさつ履歴(2012年~現在)はこちら